
愛知県・名古屋は「名古屋めし」で知られる独自の食文化を育んだ都市です。スイーツの世界でも「濃厚な味付け」「ボリューム感」「コスパ重視」という名古屋らしさが随所に表れています。小倉トーストをはじめとする和と洋を大胆に組み合わせた文化は、銘菓にも反映されています。地元ビジネスパーソンの手土産需要が高く、名古屋駅など交通の要所でのスイーツ購入者も多いのが特徴です。なかでも全国的に有名な愛知のおすすめスイーツをご紹介しましょう。
両口屋接清
千なり
千なりは、名古屋に本店を構える老舗和菓子店・両口屋是清を代表するどら焼きで、長く愛され続けているおなじみの銘菓です。両口屋是清は江戸時代初期の創業以来、四百年近い歴史を重ねてきた名古屋を代表する菓子舎で、その伝統の技がこの千なりにも息づいています。ふっくらときめ細やかに焼き上げた二枚の皮で、ていねいに炊き上げた餡をたっぷりとはさんでおり、皮のやわらかくしっとりとした食感と、ほんのりとした甘さ・香ばしさが身上です。中の餡は上品でやさしい甘さに仕上げられ、皮とのバランスが絶妙で、ひと口ほおばると素朴で豊かな味わいが広がります。定番の餡に加え、爽やかな檙檬あん入りなど、季節や趣向に合わせた品もそろっているのも魅力です。名は、豊臣秀吉の馬印として知られる「千成瓢箪」にちなむともいわれ、縁起のよさも感じさせます。ひと口サイズで食べやすく、個包装で日持ちもよいことから、日々のお茶うけはもちろん、名古屋の手みやげやあらたまった贈答としても喜ばれ続けている、格式ある一品です。
坂角総本舖
ゆかり(えびせんべい)
ゆかりは、愛知・東海地方に本店を構える老舗・坂角総本舗を代表する海老せんべいで、名古屋土産の定番として全国的にも高い人気を誇る銘菓です。その歴史は古く、江戸時代に由来する伝統の製法を今に守り継ぎながら、たゆまず美味しさを磨き続けてきた坂角の看板商品として知られています。新鮮な海老をぜいたくに使い、ていねいにすり身にして生地を練り上げ、じっくりと焼き上げているのが特徴で、噛むほどに海老そのものの濃厚なうまみと香ばしい風味が口いっぱいに広がります。パリッと軽快な歯ざわりと、素材の持ち味を生かした奥深い味わいは、ほかのえびせんべいとは一線を画す上質さで、多くのファンに愛されてきました。余計なものに頃らず、海老本来のおいしさを引き出した逸品で、大人から子どもまで幅広い世代に好まれています。個包装で日持ちもよく、上品な佇まいから、日々のお茶うけやおやつはもちろん、名古屋の手みやげやあらたまった贈答、ご挨拶の品としても喜ばれ続けている、東海を代表するせんべいです。
大口屋
餡麩三喜羅
餡麩三喜羅(あんぷさんきら)は、愛知県に本店を構える文政元年創業の老舗・菓子処大口屋を代表する銘菓です。1973年に先代店主らの長年の研究により誕生し、尾張地方だけでなく日本全国の皆様から支持されています。最大の魅力は、独特の食感を持つ生麩と上品なこし餡の絶妙な組合せです。良質の生麩を職人の技と勘で丁寧に加熱し、もちもちとした歯ごたえながら口の中ですっと溶けていくなめらかな口当たりを生み出しています。こし餡は、砂糖を蜜にしてから生餡に加える茶席菓子など高級菓子の手法を用い、さっぱりとした上品な甘さに仕上げています。さらに、本体を包む山帰来(サルトリイバラ)の葉を塩漬けにすることで、程良い塩味と葉の香りがまんじゅう本体に移り、味に深みを加えています。数多くの著名人にも愛され続ける、大口屋自慢の逸品です。
