
福島県は南北に長い地形が多様な気候を生み出し、果物・米・野菜など豊かな食材に恵まれた県です。会津・中通り・浜通りの3地域それぞれに個性的な食文化があり、和菓子の銘菓も地域ごとに特色が光ります。白河や会津など城下町として栄えた地域では、藩政時代から続く老舗の伝統菓子が今も愛されています。県民のソウルフードとして地元で愛されながら、観光客へのお土産としても根強い人気を誇ります。なかでも全国的に有名な福島のおすすめスイーツをご紹介しましょう。
玉嶋屋
本錬羊羹
玉羊羹(たまようかん)は、福島県二本松市の老舗和菓子店・玉嶋屋がつくる郷土の銘菓です。玉嶋屋は二本松藩の藩主にご愛顧をいただいた御用達の店で、江戸時代からの伝統を崩さず、ガスや電気を使わずに薪を焚き、丁寧に火加減を見ながら羊羹や餡を煉る昔ながらの製法を守り続けています。玉羊羹が生まれたのは昭和12年。県知事と軍からの依頼を受け、戦地の人にいつまでもやわらかい羊羹を食べてもらえるようにと、羊羹をゴムの容器に入れる方法を考案しました。当初は、できたての味を保てる羊羹として「日の丸羊羹」の名で発売されましたが、太平洋戦争により良い素材の確保が困難となって玉嶋屋は一時廃業し、その名は途絶えます。終戦後、小豆の統制解除を機に再開業した際、軍国主義のイメージを避けるため、丸い玉の形と店名の「玉」を掛けて「玉羊羹」と改めて売り出されました。さらりとした上品な甘さと小豆の風味が変わらぬ味わいで、日持ちがよくお土産にも最適です。同店では昭和40年の全国菓子博覧会で東北初の名誉総裁賞を受けた「本煉羊羹」や一口最中「浮草」、干菓子「志保閑満」なども手がけています。
三万石
ままどおる
福島県のお土産として長年愛され続けている、三万石の代表銘菓「ままどおる」をご紹介します。
「ままどおる」とは、スペイン語で「お乳を飲む子」を意味する言葉から名づけられたお菓子です。その名のとおり、母の愛情に包まれるようなやさしい味わいが最大の魅力といえるでしょう。バターをたっぷり使ったしっとりとした生地で、ミルク風味のまろやかなあんを包み込んで丁寧に焼き上げられています。ひと口食べれば、口の中にバターの豊かな香りとミルクのやさしい甘さがふんわりと広がり、どこか懐かしく温かな気持ちにさせてくれます。
子どもから年配の方まで、幅広い世代に親しまれているのも大きな特徴です。飽きのこないやさしい風味は、まさに世代を超えて愛される銘菓と呼ぶにふさわしいものといえます。緑茶はもちろん、コーヒーや紅茶との相性もよく、日々のおやつやくつろぎのひとときにぴったりの一品です。
ひとつずつ個包装になっているため、ご家族でのお茶うけとしてはもちろん、職場や友人への手土産、ちょっとしたご挨拶の品としても重宝します。上品な見た目とやさしい味わいは、贈る相手を選ばず、さまざまな場面で喜ばれることでしょう。
また、チョコレート風味に焼き上げた「チョコままどおる」も用意されており、定番と食べ比べてみるのもおすすめです。ずっと変わらないやさしい味わいを、ぜひ一度ご賞味ください。
柏屋
薄皮饅頭(うすかわまんじゅう)
1852年)の創業以来、百七十年以上にわたり受け継がれてきた郡山を代表する名物です。その名のとおり、たっぷりの餡を薄い皮でやさしく包み込んでいるのが最大の特徴で、皮の主張をあえて抑えることで、厳選した小豆からていねいに炊き上げた自家製餡の風味を存分に味わえるよう仕立てられています。定番は、なめらかで上品な口どけとさらりとした甘みが身上の「こしあん」と、甘さをひかえめにして小豆本来の素朴な風味を生かした「つぶあん」の二種類で、いずれも職人の手仕事により一つひとつ作られています。ほかにも、ひと口サイズで愛らしい「mini」や、京都の宇治抹茶を使った期間限定品、こしあんとつぶあんを詰め合わせたギフトなど品ぞろえも豊富で、日々のおやつから大切な方への贈答や手みやげまで幅広く親しまれています。「日本三大まんじゅう」の一つにも数えられる、福島を代表する伝統の味わいです。
