
島根県・松江は「不昧公」として知られる松江藩主・松平治郷が茶道を奨励したことで、京都・金沢と並ぶ日本三大和菓子処として名を馳せるようになりました。茶の湯文化が息づく松江では、上質な和菓子と抹茶を楽しむ文化が今も根付いており、全国の和菓子愛好家・茶道家が訪れます。職人技が光る繊細な上生菓子や伝統銘菓は、見た目の美しさも含めて高い評価を受けています。日本の伝統文化と食を深く愛する旅行者にとって、島根のスイーツは必訪の一品です。なかでも全国的に有名な島根のおすすめスイーツをご紹介しましょう。
彩雲堂
若草(わかくさ)
若草は、島根県松江市に本店を構える老舗和菓子店・彩雲堂を代表する松江銘菓です。松江は、茶人大名として知られる松江藩主・松平不昧公の影響で茶の湯の文化が深く根づいた「和菓子どころ」として名高く、若草はその不昧公ゆかりの茶菓子として親しまれてきました。やわらかな求肥を、鮮やかな緑色に染めた寒梅粉のそぼろ(若草そぼろ)で全体にまぶして仕上げた菓子で、春の野に萌える若草を思わせる、みずみずしく美しい色合いが最大の特徴です。ひと口ほおばると、もちもちとやわらかな求肥のやさしい口あたりと、そぼろのほろりとした食感が重なり、上品でくどさのないやさしい甘さが口の中に広がります。目にも鮮やかで春らしく、茶席の菓子として、また季節を映す和菓子として長く愛されてきました。彩雲堂では、伝統の技を鍍錬とたしかな感覚によって受け継ぎ、ていねいに仕上げているのも魅力です。日々のお茶うけはもちろん、松江の手みやげや、あらたまった贈答・季節のご挨拶としても喜ばれ続けている、山陰・松江が誇る伝統銘菓です。
風流堂
松江銘菓風流堂和菓子詰合せ 神魂
山川は、島根県松江市に本店を構える菓子老舗・風流堂を代表する松江銘菓で、新潟の越乃雪、金沢の長生殿とともに日本三銘菓のひとつに数えられる格式高い打ち菓子です。松江に茶の湯文化を根づかせた茶人大名・松平不昧公にゆかりが深く、その名は不昧公の和歌にちなむとされ、紅色は色づいた紅葉を、白色は清らかな川の流れを表しているといわれます。上質なもち米からつくった粉と砂糖などを合わせ、木型で打ち出してつくられる落雁で、紅白の美しい色合いが目を楽しませてくれます。口に含むと、ほろりと軽やかに崩れ、やがてやさしくとろけていき、上品で奥深い甘さと、ほのかな余韻が静かに広がります。素材と伝統の技を大切に、ていねいに仕上げられた洗練された味わいは、茶席の菓子として長く親しまれてきました。日持ちがよく上品な佇まいから、あらたまった贈答や松江の手みやげ、お茶うけとしても喜ばれ続けている、山陰を代表する伝統銘菓です。
三英堂
不昧公三大銘菓
不昧公三大銘菓は、島根県松江市の御菓子司・三英堂が手がける、松江を代表する三つの伝統銘菓の総称です。松江は、茶人大名として名高い松江藩主・松平不昧公が茶の湯文化を育んだ「和菓子どころ」として知られ、その不昧公にゆかりの深い「山川」「若草」「菜種の里」の三品が、松江三大銘菓として長く愛されてきました。なかでも三英堂を代表する菜種の里は、春の菜の花畑を表現した打ち菓子で、やわらかな黄色のそぼろが野原を、そこに舞う趣が春の情景を思わせる、彩り美しい意匠が魅力です。山川は紅白の落雁で紅葉と川の流れを、若草は鮮やかな緑のそぼろをまとった求肥で春の若草を映すなど、いずれも季節の風情を写しとった上品な菓子です。口に含むとほろりととろけ、和三盆などのやさしく奥深い甘さが静かに広がります。茶席の菓子としてはもちろん、目にも美しく季節感あふれる佇まいから、あらたまった贈答や松江の手みやげとしても喜ばれ続けている、山陰・松江が誇る格式高い和菓子です。
