
福井県は若狭湾の豊かな海の幸と越前の豊かな自然に恵まれた県です。絹織物「羽二重」の産地として名高い福井では、その名を冠した銘菓が生まれるなど地域の文化と食が深く結びついています。また冬に水ようかんを食べるという全国でも珍しい食文化があり、県民の菓子文化へのこだわりが感じられます。越前がにや若狭塗など本物の品質にこだわる土地柄を反映し、スイーツも素材と製法を大切にした本格派が揃っています。なかでも全国的に有名な福井のおすすめスイーツをご紹介しましょう。
羽二重餅本舗 松岡軒
羽二重餅(はぶたえもち)
羽二重餅は、福井県福井市に本店を構える羽二重餅総本舗・松岡軒を代表する福井銘菓で、明治三十年の創業者が考案したと伝わる元祖の羽二重餅として知られています。その名は、福井が古くから産地として名高い上質な絹織物「羽二重」に由来し、絹のようにきめ細かく、なめらかで薄くのびる生地の美しさを表しています。もち米からつくった餅粉に砂糖や水飴を合わせ、じっくりと練り上げてつくられる生地は、やわらかでふんわりとした食感と、口に含んだ瞬間にとろけるようなやさしい口どけが最大の魅力です。上品でくせのない甘さは、素材そのものの味わいを生かした素朴なもので、幅広い世代に好まれています。松岡軒では、この元祖・羽二重餅をはじめ、自家製あんを包んだ羽二重もなかや、生地に羽二重餅をはさんだ羽二重どら焼など、羽二重餅を生かした多彩な商品もそろえています。日々のお茶うけはもちろん、上品な佇まいと個包装の食べやすさから、福井の手みやげやあらたまった贈りものとしても長く愛され続けている伝統銘菓です。
久保田製菓
水ようかん
水ようかんは、福井県に本店を構える久保田製菓がこだわってつくる、福井ならではの冬の名物として親しまれている和菓子です。水ようかんといえば夏のイメージが強いですが、福井では古くから寒い冬に、こたつを囲みながら味わうのが定番という、ほかにはないユニークな食文化が根づいています。平たい箱に流し込んだ「一枚流し」の形が特徴で、ヘラですくって取り分けながらいただきます。厳選した小豆から炊いたなめらかなこしあんに、寒天と黒砂糖などを合わせて仕上げており、黒砂糖ならではのコクのある深い甘さと、つるんとした軽やかなのどごし、口の中でとろけるようなやわらかな食感が魅力です。甘さは上品で後味もすっきりとしており、いくつでも食べられるようなやさしい味わいに仕上げられています。素材の風味を生かした昔ながらの製法を大切に、ていねいにつくられているのも特徴です。福井の冬の風物詩として、家庭のおやつはもちろん、季節の手みやげや贈りものとしても喜ばれ続けている、地元自慢の一品です。
はや川
羽二重くるみ
福井の名物「羽二重餅」を、卵とバターをたっぷり使ったシュー生地でサンドした和洋折衷の菓子で、勝山を代表する銘菓です。「他店にないくるみの菓子を創りたい」という先代の「一生一品」の思いから生まれ、いまでは福井土産の定番として県内外で人気を集めています。
おいしさの核は和ぐるみ。希少で風味の良い和ぐるみだけを使い、渋皮を手作業でむいてじっくり甘露煮にし、煮汁ごと羽二重餅に練り込みます。なめらかな餅に香ばしさとコリッとした食感が溶け込み、上品な甘さに仕上がります。仕上げの工程で甘露煮をさらに散らす「追いぐるみ」を行うため、どこを切ってもくるみに当たるのも心配りです。
生地は強火でさっと焼き上げ、しっとりした口当たりと波打つような表情を残しています。3枚のシュー生地の間に羽二重餅を挟んだ5層構造が和と洋のバランスを生み、食べ飽きない味わいに。片手で食べられる大きさにカットして個包装するので配りやすく、お茶にもコーヒーにも合います。
