
和歌山県は熊野古道・高野山など日本有数のパワースポットを抱え、スピリチュアルな旅を求める観光客が世界中から訪れます。みかん・柿・梅など果物の一大産地でもあり、素材の風味を最大限に活かしたスイーツが充実しています。特に梅は和歌山の顔ともいえる特産品で、梅を使った菓子は全国に根強いファンを持ちます。古道を歩く巡礼者から、グルメな食通、みかん好きのファミリーまで、多様な旅行者が和歌山スイーツの魅力を発見しています。なかでも全国的に有名な和歌山のおすすめスイーツを3つご紹介しましょう。
総本家駿河屋
煉羊羹(ねりようかん)
煉羊羹は、和歌山に本店を構え、五百六十年以上の歴史を誇る御用菓子司・総本家駿河屋善右衛門を代表する銘菓です。羊羹の歴史をたどるうえで欠かせない存在で、五代目・岡本善右衛門が京都・伏見において従来の蒸羊羹を改良し、初めて世に送り出した「煉羊羹」の元祖とされています。厳選した小豆から炊いた餡に、寒天と砂糖を合わせ、じっくりと手をかけて煉り上げてつくられる羊羹で、当初から受け継がれる「手流し製法」を今も大切にしているのが特徴です。しっとりと密度の高い口あたりと、上品で奥行きのある甘さが身上で、時間がたつと表面に甘みの凝縮した「シャリ」と呼ばれる糖分の結晶ができるのも、伝統の煉羊羹ならではの趣です。高級な糸寒天や和三盆糖を用いた極上の羊羹など、こだわりの品々もそろっています。日持ちがよく、切り分けて楽しめることから、日々のお茶うけはもちろん、あらたまった贈答や手みやげとしても格別の存在感を放つ、和歌山が誇る伝統と格式を今に伝える一品です。
春栄堂
シューパリ
昭和元年創業、和歌浦の明光商店街に店を構える老舗菓子店「春栄堂」の一番人気商品です。名前のとおり「パリッ」とした食感が主役のシュークリームで、和歌山でシュークリームといえばこれ、と地元で語られる看板菓子になっています。
特徴は、バターが香るシュー生地の表面にアーモンドをたっぷりまぶして焼き上げているところ。ナッツの香ばしさとカリカリした歯ごたえ、その下のサクッ・フワッとした生地、そして中の絶妙なとろみのクリームが重なり、ひと口で三つの食感が楽しめます。クリームは濃厚なカスタードに生クリームを合わせた軽い口溶けで、甘さは程よく、後味はさらりとしています。
味は定番のプレーンに加えて、宇治抹茶をたっぷり配合し香りが口いっぱいに広がる「抹茶パリ」、クリームだけでなく外側までチョコレートでコーティングした「チョコパリ」の三種類。二個目は別の味を、という楽しみ方が店でも勧められています。
焼き立てを届けたいという考えから、生地は一度にまとめて焼かず、こまめに何度も焼き上げるのがこの店の流儀。多い日には千個以上が売れるといい、将棋の王将戦で勝負おやつの候補に選ばれたこともある和歌山の名物スイーツです。
高砂アラレ
高砂アラレ
あられ作りを100年以上続ける岩出市の米菓店「高砂アラレ」(増田米菓)が手がける、和歌山らしさの詰まった米菓です。
中身は昔ながらの製法を守って作られたあられ。余計な手を加えず米の旨みを引き出しているため、どこか懐かしい素朴な味わいで、軽やかな歯ざわりとともに香りが立ちます。ラインアップは、米そのものの風味が際立つ「素焼き」、ほどよい塩気と旨みでつまむ手が止まらない「サラダ味」、香ばしい醤油の焼き色と香りが食欲を誘う「しょうゆ味」の3種類。好みが分かれにくいので、詰め合わせて配る用途にも向きます。
同社はあられの専門店らしく、定番の醤油味やサラダ味に加えてペペロンチーノ味のような変わり種も作っており、味の豊富さも魅力。個包装で日保ちするため持ち帰りやすいのも利点です。
